映像!音楽!酒!釣り!私の道楽用語集 ~ 酒器
酒器というと、一般的には、樽や壺などのように保存容器として使用するもの、また徳利や燗器など、広範囲のものを指す場合が多いが、ここでは酒を呑むための器、つまり盃の類について話をしたいと思う。まず、材質的には「陶器」「磁器」「漆器」「金属」「ガラス」「木」などがあるが、例えば、陶器製のものは熱しにくく冷めにくいという性質がある。また、同じ材質でも、その厚みや形、大きさなど、その形態は実に様々である。近年、吟醸酒の広がりで、酒を冷やして呑む呑み方が普及しているが、そうした呑み方ではガラス製のものが多く使われているようだ。それは何もルールがあってそうしているのではなく、経験的にその方が酒の切れが良く、本来の美味さが引き立つことを知っているからであろう。しかし、そうした呑み方をしている人でも、グラスの厚みや呑み口の角度まで気にしている人はまだ少ないようだ。また、温度でいえば日本酒はお燗でも、そして単に冷でも呑まれるものである。この温度差でも、味わいが微妙に異なるのが日本酒の面白いところで、それ故、器との組み合わせでその味を生かしたり殺したりすることにもなるのである。民芸調の陶器のぐい呑みが好きな人、口の薄い磁器を好む人、さらには顔を上に向けなくて済むからと角度の広い朝顔型の盃を愛用する人───十人十色でけっこうであるが、できれば少し踏み込んで、唇に当たる部分の厚み、そして角度までを考慮すれば、より一層味わう楽しみが増すのではないだろうか。